Clipping後 ICGにてわずかに蛍光が残存する未破裂動脈瘤の根治性

「はじめに」脳動脈瘤に対するneck clipping後にindocyanine green (ICG) を用いて蛍光造影を行いcomplete clippingであること, 穿通枝や親動脈の血流が温存されていることを確認する手法は標準化されつつある. その際にICGがneck近傍に限局し遅発性かつ拍動性に流入する現象は, まれならず経験される. 動脈瘤内の蛍光造影を完全に消失させるため複数回のclipのかけ直しや動脈瘤の大きさにそぐわないほどの複数のclipの使用を余儀なくされる一方で, これらの処置により穿通枝障害や親動脈の狭窄などをきたすことも経験される. われわれは未破裂動脈瘤に限定し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 47; no. 4; pp. 236 - 241
Main Authors 門岡, 慶介, 坂田, 義則, 井手口, 稔, 塚越, 瑛介, 波出石, 弘, 齋藤, 浩史, 稲葉, 眞貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2019
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.47.236

Cover

More Information
Summary:「はじめに」脳動脈瘤に対するneck clipping後にindocyanine green (ICG) を用いて蛍光造影を行いcomplete clippingであること, 穿通枝や親動脈の血流が温存されていることを確認する手法は標準化されつつある. その際にICGがneck近傍に限局し遅発性かつ拍動性に流入する現象は, まれならず経験される. 動脈瘤内の蛍光造影を完全に消失させるため複数回のclipのかけ直しや動脈瘤の大きさにそぐわないほどの複数のclipの使用を余儀なくされる一方で, これらの処置により穿通枝障害や親動脈の狭窄などをきたすことも経験される. われわれは未破裂動脈瘤に限定した治療方針の1つとして, このようなICG所見を示す動脈瘤に対しては無理なclipのかけ直しや追加clipなどは行わず手術を終えることがある. 本稿ではこのような所見を示す病態について検討し, 動脈瘤の根治性について考察した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.236