術中画像支援・モニタリングを用いた頭蓋内海綿状血管腫に対する摘出術
「はじめに」頭蓋内海綿状血管腫は, 脳動静脈奇形についで多い血管奇形であり, 有病率は0.4%程度である. 無症候性海綿状血管腫は, 保存的治療がすすめられるが, 出血, コントロール不良な痙攣などの症候性海綿状血管腫のうち, テント上脳表付近の摘出可能な部位に存在する症例, また, 出血により神経症候をきたした表在性の脳幹部海綿状血管腫では, 外科的切除術を考慮する必要がある. ナビゲーションシステムは, 病変の位置, 正常解剖を理解するために必要な術中画像支援である. また, 術中モニタリングは, 脳神経の位置を同定, ならびに, 手術操作によって障害される可能性のある脳神経機能を監視し,...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 4; pp. 295 - 301 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.44.295 |
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Summary: | 「はじめに」頭蓋内海綿状血管腫は, 脳動静脈奇形についで多い血管奇形であり, 有病率は0.4%程度である. 無症候性海綿状血管腫は, 保存的治療がすすめられるが, 出血, コントロール不良な痙攣などの症候性海綿状血管腫のうち, テント上脳表付近の摘出可能な部位に存在する症例, また, 出血により神経症候をきたした表在性の脳幹部海綿状血管腫では, 外科的切除術を考慮する必要がある. ナビゲーションシステムは, 病変の位置, 正常解剖を理解するために必要な術中画像支援である. また, 術中モニタリングは, 脳神経の位置を同定, ならびに, 手術操作によって障害される可能性のある脳神経機能を監視し, 不可逆的障害の発生を回避することが目的となる. 近年, 術中画像支援や術中モニタリングの進歩に伴い, 頭蓋内海綿状血管腫に対する外科的摘出の適応が拡大しつつある. 本稿では, 当施設で術中画像支援とモニタリングを用いた頭蓋内海綿状血管腫手術症例について検討したので, 報告する. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.295 |