難治性の感染性肺囊胞に対して肺囊胞開窓術を施行した2症例
背景.難治性感染性肺囊胞は経皮的ドレナージでは治療が不十分なことがある.その一方で肺切除は死腔が遺残する.症例.症例1:63歳,男性.膿胸の疑いで当科に紹介された.胸部CTで感染性肺囊胞の診断で,抗菌薬を投与した.気管支鏡検査で気管との交通はなく経気道的ドレナージは不可能と判断し手術を施行した.胸腔鏡下に肺囊胞を開放しドレナージを行い囊胞内膿瘍を搔爬と洗浄し手術を終了した.術後13日目に退院した.症例2:47歳,男性.左気胸術後で癒着療法の既往がある.左膿胸疑いのため当科に紹介された.感染性肺囊胞の診断で抗菌薬を投与したが,不応性のため症例1と同様に手術を施行した.術後5日目に退院した.2症例...
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Published in | 気管支学 Vol. 44; no. 4; pp. 268 - 272 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
25.07.2022
日本呼吸器内視鏡学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.44.4_268 |
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Summary: | 背景.難治性感染性肺囊胞は経皮的ドレナージでは治療が不十分なことがある.その一方で肺切除は死腔が遺残する.症例.症例1:63歳,男性.膿胸の疑いで当科に紹介された.胸部CTで感染性肺囊胞の診断で,抗菌薬を投与した.気管支鏡検査で気管との交通はなく経気道的ドレナージは不可能と判断し手術を施行した.胸腔鏡下に肺囊胞を開放しドレナージを行い囊胞内膿瘍を搔爬と洗浄し手術を終了した.術後13日目に退院した.症例2:47歳,男性.左気胸術後で癒着療法の既往がある.左膿胸疑いのため当科に紹介された.感染性肺囊胞の診断で抗菌薬を投与したが,不応性のため症例1と同様に手術を施行した.術後5日目に退院した.2症例とも肺囊胞を開放し,ドレナージを行い囊胞内膿瘍を搔爬し,治癒した.結論.本術式では残存肺の拡張が良好であり,速やかに炎症反応が改善した.感染性肺囊胞の術式のalternative optionの1つとなり得る.感染性肺囊胞の治療法に関して文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.44.4_268 |