内頚動脈閉塞に対する血栓溶解療法後に頭蓋頚椎移行部まで続くcarotid free-floating thrombusを認めた1例

「はじめに」carotid free-floating thrombus (CFFT) は, 頚動脈超音波, CT angiography, 脳血管撮影にてまれに発見され, 脳塞栓の危険因子として知られているため緊急手術も考慮され得る病態である. その原因として多くが動脈硬化性であるが, 過凝固状態 (悪性腫瘍, 薬剤性, 本態性血小板増多症など) に続発する報告例もあり, いまだ成因については不明な点も多い. 今回われわれは, 内頚動脈閉塞に対するrecombinant tissue-plasminogen activator (rt-PA) 静注療法後に部分再開通し, 残存血栓として頭蓋頚...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 47; no. 5; pp. 385 - 389
Main Authors 斉藤, 克也, 冨田, 栄幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2019
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.47.385

Cover

More Information
Summary:「はじめに」carotid free-floating thrombus (CFFT) は, 頚動脈超音波, CT angiography, 脳血管撮影にてまれに発見され, 脳塞栓の危険因子として知られているため緊急手術も考慮され得る病態である. その原因として多くが動脈硬化性であるが, 過凝固状態 (悪性腫瘍, 薬剤性, 本態性血小板増多症など) に続発する報告例もあり, いまだ成因については不明な点も多い. 今回われわれは, 内頚動脈閉塞に対するrecombinant tissue-plasminogen activator (rt-PA) 静注療法後に部分再開通し, 残存血栓として頭蓋頚椎移行部まで縦長に続くCFFTを認めた症例を経験した. これまで自然発症のCFFTの報告はあるが, 本症例のようにrt-PA投与後に続発性に起きたという報告はほとんどない.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.385