バングラデシュにおける産褥期感染症に関する共同研究
「1. はじめに - バングラデシュと感染症 -」感染症は保健医療における最も重要な課題のひとつであり, その対策には地球規模での取り組みが求められている. 世界での全死亡の4分の1は感染症によるものとされ, 世界人口の爆発的増加や航空機網の発達に, 地球温暖化等による環境の変化が重なり, 現時点での様々な感染症の拡大リスクは半世紀前と比べても格段に増加していると考えられる. 世界的な対策が必要とされる感染症の主なものは新興感染症であり, 度々パンデミックの脅威が叫ばれている. 最近でも中東呼吸器症候群 (MERS), エボラウイルス病, ジカウイルス感染症などが世界的な注目を集めている. ま...
Saved in:
Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 72; no. 2; pp. 106 - 111 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本衛生学会
2017
日本衛生学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5082 1882-6482 |
DOI | 10.1265/jjh.72.106 |
Cover
Summary: | 「1. はじめに - バングラデシュと感染症 -」感染症は保健医療における最も重要な課題のひとつであり, その対策には地球規模での取り組みが求められている. 世界での全死亡の4分の1は感染症によるものとされ, 世界人口の爆発的増加や航空機網の発達に, 地球温暖化等による環境の変化が重なり, 現時点での様々な感染症の拡大リスクは半世紀前と比べても格段に増加していると考えられる. 世界的な対策が必要とされる感染症の主なものは新興感染症であり, 度々パンデミックの脅威が叫ばれている. 最近でも中東呼吸器症候群 (MERS), エボラウイルス病, ジカウイルス感染症などが世界的な注目を集めている. また全世界で恒常的に多い感染症, すなわち急性呼吸器感染症, 下痢性疾患のほか, 三大感染症 (結核, マラリア, HIV感染症) に対する対策の重要性は論を待たない. 一方, 開発途上国 (熱帯地域) の風土病として貧困層に多い感染症は「顧みられない熱帯病 (NTD)」とも呼ばれる. |
---|---|
ISSN: | 0021-5082 1882-6482 |
DOI: | 10.1265/jjh.72.106 |