ペースメーカー植込み術中のペーシングシステムアナライザーによる心内電位波高値と術直後対応プログラマーによる波高値の差異に関する検討

ペースメーカー植込み時の心内電位波高は,術中のペーシングシステムアナライザー(PSA)と術直後各社プログラマーによる測定でしばしば大きな差異を経験する.このような現象に対し,われわれは,以下のような検討を行った.対象は,ペースメーカー新規植込みもしくは交換を受けた80例(平均77.6±9.8歳,男性38例)である.使用ペースメーカーはSorin, Medtronic, Boston Scientific, St. Jude MedicalおよびBiotronik社製で,術中PSA,術直後各社プログラマーにて心内電位波高を測定し,比較・検討を行った.また,疑似心内電位を測定する実験も併せて行った...

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Published in心電図 Vol. 33; no. 4; pp. 300 - 307
Main Authors 小松, さやか, 林, 英守, 中野, 岳彦, 諏訪, 哲, 小松, かおる, 木津, 京子, 尾藤, 史康, 関田, 学, 山瀬, 美紀, 戸叶, 隆司, 島袋, 全洋, 代田, 浩之, 久保田, 真司, 住吉, 正孝, 中里, 祐二, 奥田, 典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2014
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.33.300

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Summary:ペースメーカー植込み時の心内電位波高は,術中のペーシングシステムアナライザー(PSA)と術直後各社プログラマーによる測定でしばしば大きな差異を経験する.このような現象に対し,われわれは,以下のような検討を行った.対象は,ペースメーカー新規植込みもしくは交換を受けた80例(平均77.6±9.8歳,男性38例)である.使用ペースメーカーはSorin, Medtronic, Boston Scientific, St. Jude MedicalおよびBiotronik社製で,術中PSA,術直後各社プログラマーにて心内電位波高を測定し,比較・検討を行った.また,疑似心内電位を測定する実験も併せて行った.心内電位波高測定値は,心内R波高に差を認めない一方,心内P波高では術中PSAによる測定値に対し術直後プログラマーによる測定値が有意に高く(p<0.01),メーカー別の比較ではSorin社製およびBiotronik社製で有意に高かった(p<0.01).これらは交換例22例に限定した場合も同様な傾向で,実験でもPSAで心内P波高が実際に低く測定された.ペースメーカー植込み時の心内電位波高測定において,特に心内P波高は術中PSAと術直後各社プログラマーでの測定で差異を認める可能性があることを理解しつつ,PSAおよびプログラマーを使用すべきと考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.33.300