内視鏡下脳内血腫除去術における血腫除去困難例の検討

「はじめに」Japan Standard Stroke Registry Study Groupによる日本人の脳卒中データベースでは, 脳内出血 (intracerebral hemorrhage : ICH) による死亡率は低下しているが, 頻度は増加していると報告している. さらに, ICH患者の18.5%が抗血栓薬 (抗血小板薬 : 11.5%, 抗凝固薬 : 5.2%, 両者 : 1.8%) を内服しており, 経年的に服用率は増している. 2003年から行われた抗血栓療法中に発生する出血性合併症に関する研究BAT (Bleeding with Antithrombotic Therap...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 48; no. 3; pp. 205 - 209
Main Authors 佐瀬, 泰玄, 太組, 一朗, 高砂, 浩史, 小野, 元, 田中, 雄一郎, 久代, 裕一郎, 伊藤, 英道, 大塩, 恒太郎, 内田, 将司, 松森, 隆史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.48.205

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Summary:「はじめに」Japan Standard Stroke Registry Study Groupによる日本人の脳卒中データベースでは, 脳内出血 (intracerebral hemorrhage : ICH) による死亡率は低下しているが, 頻度は増加していると報告している. さらに, ICH患者の18.5%が抗血栓薬 (抗血小板薬 : 11.5%, 抗凝固薬 : 5.2%, 両者 : 1.8%) を内服しており, 経年的に服用率は増している. 2003年から行われた抗血栓療法中に発生する出血性合併症に関する研究BAT (Bleeding with Antithrombotic Therapy Study) では, 抗血栓薬による頭蓋内出血のリスクが指摘されている. 抗血栓薬服用患者が増加傾向にある現状を踏まえると, 今後脳内出血がさらに増えるかもしれない. 近年, ICHに対する低侵襲治療として神経内視鏡下血腫除去術が広く受け入れられつつあり, 2015年の日本の脳卒中治療ガイドラインによると, ICHあるいは脳室内出血 (intraventricular hemorrhage : IVH) の治療には, 神経内視鏡手術あるいは定位的血腫除去術を考慮してもよいとされる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.48.205