脳幹部海綿状血管腫に対する直達手術9例の検討

「はじめに」脳幹部海綿状血管腫は出血を繰り返すため, 症状の段階的増悪を認める例での外科的切除が積極的に考慮されるようになっている15). しかしながら, 脳幹という解剖学的特殊性, 病変が髄内に存在することからすべての症例で安全に摘出術が施行できるとは限らない. 一方, 近年頭蓋底手術手技の発達や手術モダリティの進歩に伴い積極的な外科的摘出の適応が拡大しつつある5)10)12)18). 本稿では当施設での脳幹部海綿状血管腫出血例における手術戦略や頭蓋底手術を含めた手術アプローチの選択について検討したので報告する. 「対象」1994年から2011年に岡山大学大学院脳神経外科で手術治療を行った脳...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 3; pp. 213 - 218
Main Authors 徳永, 浩司, 市川, 智継, 石田, 穣治, 伊達, 勲, 黒住, 和彦, 春間, 純, 小野, 成紀, 三好, 康之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2013
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.41.213

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Summary:「はじめに」脳幹部海綿状血管腫は出血を繰り返すため, 症状の段階的増悪を認める例での外科的切除が積極的に考慮されるようになっている15). しかしながら, 脳幹という解剖学的特殊性, 病変が髄内に存在することからすべての症例で安全に摘出術が施行できるとは限らない. 一方, 近年頭蓋底手術手技の発達や手術モダリティの進歩に伴い積極的な外科的摘出の適応が拡大しつつある5)10)12)18). 本稿では当施設での脳幹部海綿状血管腫出血例における手術戦略や頭蓋底手術を含めた手術アプローチの選択について検討したので報告する. 「対象」1994年から2011年に岡山大学大学院脳神経外科で手術治療を行った脳幹部海綿状血管腫9例を対象とした. 男性8例, 女性1例, 平均年齢は39.0歳(22-57歳)であった. 背側病変が4例, 腹側病変2例, 外側病変3例であり, それぞれ, アプローチ方法とそれによる到達度, 摘出度と術前後のmodified Rankin Scale (mRS)を評価項目とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.41.213