80歳以上くも膜下出血患者への脳動脈瘤直達術の治療成績

「はじめに」臨床現場では80歳以上のくも膜下出血患者に遭遇することも珍しくない. 近年の高齢人口増加によりくも膜下出血を発症する患者の平均年齢も今後さらに上昇していくことが見込まれる. 高齢者のくも膜下出血は一般的に予後不良といわれており14)17), その治療適応, 方法について各施設で模索されているのが現状と思われる. われわれはこれまで80歳以上の高齢者においても, 全身状態に問題がなければ急性期開頭クリッピング術を第一選択としてきた. 今回後方視的にその治療成績について検討し報告する. 「対象と方法」当院および公立豊岡病院にて2007年4月より2012年7月に治療を行った破裂脳動脈瘤に...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 2; pp. 103 - 108
Main Authors 甲田, 将章, 千葉, 義幸, 小山, 淳二, 木村, 英仁, 三宅, 茂, 甲村, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.103

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Summary:「はじめに」臨床現場では80歳以上のくも膜下出血患者に遭遇することも珍しくない. 近年の高齢人口増加によりくも膜下出血を発症する患者の平均年齢も今後さらに上昇していくことが見込まれる. 高齢者のくも膜下出血は一般的に予後不良といわれており14)17), その治療適応, 方法について各施設で模索されているのが現状と思われる. われわれはこれまで80歳以上の高齢者においても, 全身状態に問題がなければ急性期開頭クリッピング術を第一選択としてきた. 今回後方視的にその治療成績について検討し報告する. 「対象と方法」当院および公立豊岡病院にて2007年4月より2012年7月に治療を行った破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血患者232例(クリッピング術216例, コイル塞栓術16例)中80歳以上は38例で, クリッピング術を行った37例を対象とした(残り1例はコイル塞栓術施行). 原則として来院24時間以内にクリッピング術を実施, 術後の血圧管理は積極的なtriple H療法は行わずnormotensionとし, 術翌日より塩酸ファスジルの点滴投与を行った.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.103