献血者における化学発光免疫測定法を用いた新ヒトパルボウイルスB19抗原スクリーニングの遺伝子型検出に関する性能評価

伝染性紅斑の原因ウイルスであるヒトパルボウイルスB19(B19)の輸血用血液製剤や血漿分画製剤原料への混入リスクを減らすため,2008年に血液センターでは化学発光酵素免疫測定法によるB19抗原検査(CLEIA-B19;従来法)を導入した.その後,感染症検査システムの更新に伴い2019年4月から化学発光免疫測定法による新B19抗原検査(CLIA-B19)に変更したため各遺伝子型の検出感度を評価した.Real-time PCRによりB19 DNAを定量した遺伝子型1,2,3型のB19パネルをCLIA-B19で測定した.またCLIA-B19で検出したB19 DNA陽性検体を系統学的に解析した.CLI...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 67; no. 1; pp. 21 - 26
Main Authors 生田, 克哉, 岸本, 信一, 松林, 圭二, 坂田, 秀勝, 佐藤, 進一郎, 紀野, 修一, 小林, 悠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 25.02.2021
日本輸血・細胞治療学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.67.21

Cover

More Information
Summary:伝染性紅斑の原因ウイルスであるヒトパルボウイルスB19(B19)の輸血用血液製剤や血漿分画製剤原料への混入リスクを減らすため,2008年に血液センターでは化学発光酵素免疫測定法によるB19抗原検査(CLEIA-B19;従来法)を導入した.その後,感染症検査システムの更新に伴い2019年4月から化学発光免疫測定法による新B19抗原検査(CLIA-B19)に変更したため各遺伝子型の検出感度を評価した.Real-time PCRによりB19 DNAを定量した遺伝子型1,2,3型のB19パネルをCLIA-B19で測定した.またCLIA-B19で検出したB19 DNA陽性検体を系統学的に解析した.CLIA-B19はすべてのB19遺伝子型を検出でき,平均検出感度は約6.4log IU/mlと算出され従来法とほぼ同等であった.2019年度の北海道献血者検体252,956本中CLIA-B19により237本(0.09%)が陽性となり,このうち26本(0.01%)がB19 DNA陽性で,解析できた25本はすべて1型であった.CLIA-B19は,献血血液におけるB19抗原スクリーニングに有用と考えられた.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.67.21