胆嚢摘出術後の遺残胆嚢管に発生したintracholecystic papillary neoplasmの1例
症例は80歳代女性,8年前に胆嚢結石で腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けている.右前胸部から背部の痛みがあり,CTでは肝内外胆管が拡張し,拡張した遺残胆嚢管から総肝管,膵内胆管にかけて内腔に充満する造影効果のある3.5×2cm大の腫瘍を認めた.MRCPでは,拡張した遺残胆嚢管から総胆管内にかけて乳頭状に発育した腫瘍が,4cm大の陰影欠損として描出された.胆管外進展はなく,遺残胆嚢管に発生した乳頭状腫瘍と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行った.摘出標本では,遺残胆嚢管に基部を有する3.4×2.2cmの乳頭状腫瘍で胆管内に粘液はなく,病理組織所見では高異型度intracholecystic papill...
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Published in | 胆道 Vol. 36; no. 5; pp. 633 - 639 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本胆道学会
31.12.2022
日本胆道学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-0077 1883-6879 |
DOI | 10.11210/tando.36.633 |
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Summary: | 症例は80歳代女性,8年前に胆嚢結石で腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けている.右前胸部から背部の痛みがあり,CTでは肝内外胆管が拡張し,拡張した遺残胆嚢管から総肝管,膵内胆管にかけて内腔に充満する造影効果のある3.5×2cm大の腫瘍を認めた.MRCPでは,拡張した遺残胆嚢管から総胆管内にかけて乳頭状に発育した腫瘍が,4cm大の陰影欠損として描出された.胆管外進展はなく,遺残胆嚢管に発生した乳頭状腫瘍と診断し,亜全胃温存膵頭十二指腸切除を行った.摘出標本では,遺残胆嚢管に基部を有する3.4×2.2cmの乳頭状腫瘍で胆管内に粘液はなく,病理組織所見では高異型度intracholecystic papillary neoplasmと診断された.総肝管から総胆管にかけては肉眼的な隆起性病変は認めなかったが,組織学的に低異型度BilIN相当の中等度異型が認められた. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.36.633 |