外科的適応から外れ経過観察中に増大しくも膜下出血をきたした未破裂脳動脈瘤の3例

「はじめに」 UCAS Japan, SUAVe Studyなどにより, 本邦における未破裂脳動脈瘤の全体像が明らかになりつつあり, 未破裂瘤の治療指針になっている. しかし, 外科的適応から外れた, 小型脳動脈瘤や高齢者の無症候性未破裂動脈瘤の経過観察を行ううえでの問題点は, 残されていると思われる. 「対象・方法」 今回われわれは, 最終的に破裂に至った外科的適応外の未破裂動脈瘤の経過を後方視的に検討した. 2006年から2012年, くも膜下出血で当院へ入院し出血源の精査ができ, 破裂脳動脈瘤が判明した症例は165例であった. このうち, 未破裂動脈瘤を指摘されていたのは9例(女性8例,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 42; no. 6; pp. 453 - 457
Main Authors 西本, 陽央, 長谷川, 根岸, 正敏, 高橋, 潔, 林, 悟, 竹内, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2014
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.42.453

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Summary:「はじめに」 UCAS Japan, SUAVe Studyなどにより, 本邦における未破裂脳動脈瘤の全体像が明らかになりつつあり, 未破裂瘤の治療指針になっている. しかし, 外科的適応から外れた, 小型脳動脈瘤や高齢者の無症候性未破裂動脈瘤の経過観察を行ううえでの問題点は, 残されていると思われる. 「対象・方法」 今回われわれは, 最終的に破裂に至った外科的適応外の未破裂動脈瘤の経過を後方視的に検討した. 2006年から2012年, くも膜下出血で当院へ入院し出血源の精査ができ, 破裂脳動脈瘤が判明した症例は165例であった. このうち, 未破裂動脈瘤を指摘されていたのは9例(女性8例, 男性1例)であった. 他院にて指摘され観察期間などの詳細不明が3例, 当院で判明していたが, 高齢, 認知症, 全身状態不良などの理由で経過観察がされていなかった症例が2例であった. 当院で経過観察していて出血した症例は4例であったが, 1例は手術適応があるものの, 治療困難のため経過観察中に破裂していた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.42.453