大阪府における在宅療養支援診療所主治医の耳鼻咽喉科在宅診療に対する意識調査
われわれは, 在宅医療の現場での耳鼻咽喉科の往診について, 耳鼻咽喉科を専門としていない在宅主治医の医師がどのような意識を持っているかを検討するため在宅主治医を対象にアンケート調査を実施し, 耳鼻咽喉科の在宅医療における現状の把握と今後の課題について検討した. 方法は, 大阪府下で在宅療養支援診療所を登録している施設から無作為に抽出した716施設の診療所に「耳鼻咽喉科の在宅医療」についての意識調査をアンケート方式で行い, 回答を得た292施設の結果をまとめた. 過去に医師が依頼した診療科については, 皮膚科, 歯科, 泌尿器科が多かった. 耳鼻咽喉科, 整形外科は少ない傾向であった. 耳鼻咽喉...
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| Published in | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 11; pp. 1570 - 1577 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
20.11.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2436-5793 2436-5866 |
| DOI | 10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1570 |
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| Summary: | われわれは, 在宅医療の現場での耳鼻咽喉科の往診について, 耳鼻咽喉科を専門としていない在宅主治医の医師がどのような意識を持っているかを検討するため在宅主治医を対象にアンケート調査を実施し, 耳鼻咽喉科の在宅医療における現状の把握と今後の課題について検討した. 方法は, 大阪府下で在宅療養支援診療所を登録している施設から無作為に抽出した716施設の診療所に「耳鼻咽喉科の在宅医療」についての意識調査をアンケート方式で行い, 回答を得た292施設の結果をまとめた. 過去に医師が依頼した診療科については, 皮膚科, 歯科, 泌尿器科が多かった. 耳鼻咽喉科, 整形外科は少ない傾向であった. 耳鼻咽喉科への往診の依頼をした施設は13%であったことは, 9割近くの診療所が「往診の依頼はない」と回答していたことになる. 耳鼻咽喉科医の往診を希望する疾患については, 嚥下障害, 耳垢, 耳漏, 中耳炎, 鼻出血が多く見られた. 口腔癌, 咽頭癌, 喉頭癌といった頭頸部癌の診療希望も見られた. 嚥下障害を受け持っているという回答は45%であった. 嚥下障害の依頼先は耳鼻咽喉科医が最も多かったが, 歯科医, 言語聴覚士に委ねている施設も相当数認められた. 嚥下障害の治療の担当者については言語聴覚士が最も多く認められた. 在宅診療への耳鼻咽喉科の参画には9割が希望していた. 今回の調査では往診依頼や連携に関して, 耳鼻咽喉科医が在宅医療に参画するためのさまざまな問題点が浮き彫りになった. |
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| ISSN: | 2436-5793 2436-5866 |
| DOI: | 10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1570 |