再生医療におけるリハビリテーション ―再生リハビリテーション

「1. はじめに」 再生医療の臨床応用が着実に進んでいる. 京都大学医学部附属病院は, 2018年8月1日にiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験を開始し, 国際的な注目を集めている. また, 骨軟骨欠損症や重症熱傷に対する再生医療では, 自家培養軟骨細胞移植術や自家培養表皮移植術がすでに保険収載されており, 実際にその恩恵が患者に届いている. 近年, この再生医療分野におけるリハビリテーションの重要性が明らかにされつつある. 多くの研究において, 細胞を移植するだけでは十分に機能的な組織・臓器を再生させることが難しいことが報告されており, 課題となっ...

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Published in日本基礎理学療法学雑誌 Vol. 21; no. 1; pp. 2 - 8
Main Author 伊藤, 明良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本基礎理学療法学会 28.12.2018
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ISSN2186-0742
2434-0731
DOI10.24780/jptf.21.1_2

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Summary:「1. はじめに」 再生医療の臨床応用が着実に進んでいる. 京都大学医学部附属病院は, 2018年8月1日にiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験を開始し, 国際的な注目を集めている. また, 骨軟骨欠損症や重症熱傷に対する再生医療では, 自家培養軟骨細胞移植術や自家培養表皮移植術がすでに保険収載されており, 実際にその恩恵が患者に届いている. 近年, この再生医療分野におけるリハビリテーションの重要性が明らかにされつつある. 多くの研究において, 細胞を移植するだけでは十分に機能的な組織・臓器を再生させることが難しいことが報告されており, 課題となっている. これを解決するために, 再生リハビリテーション(Regenerative Rehabilitation)という新しい研究領域が萌芽した. 本稿では, 再生リハビリテーションの概要とその成り立ち, および今後の展望について紹介する.
ISSN:2186-0742
2434-0731
DOI:10.24780/jptf.21.1_2