アストグラフを用いた気道過敏性検査の指標とモストグラフ指標の関連

気道過敏性検査は気管支喘息の診断および治療評価に有用である。本研究では気道過敏性の評価法であるアストグラフと,呼吸抵抗の分析法として注目されているモストグラフの両者による評価を行い,両者の関連性を比較検討した。対象は,アストグラフで気道過敏性を評価した症例のうち,モストグラフを測定した137名を抽出した。アストグラフにおける呼吸抵抗(Rrs: respiratory resistance at 3 Hz)はモストグラフの各指標と相関を示し,気道反応性についてはAX 以外の指標と相関を示し,logPD35GrsについてはX5,Fres,AX の指標と有意な相関を示した。気道感受性(logDmin...

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Published in聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 52; no. 1; pp. 7 - 14
Main Authors 井上, 健男, 粒来, 崇博, 村岡, 弘海, 駒瀬, 裕子, 上野, 純子, 峯下, 昌道, 松島, 彩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会 2024
聖マリアンナ医科大学医学会
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ISSN0387-2289
2189-0285
DOI10.14963/stmari.52.7

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Summary:気道過敏性検査は気管支喘息の診断および治療評価に有用である。本研究では気道過敏性の評価法であるアストグラフと,呼吸抵抗の分析法として注目されているモストグラフの両者による評価を行い,両者の関連性を比較検討した。対象は,アストグラフで気道過敏性を評価した症例のうち,モストグラフを測定した137名を抽出した。アストグラフにおける呼吸抵抗(Rrs: respiratory resistance at 3 Hz)はモストグラフの各指標と相関を示し,気道反応性についてはAX 以外の指標と相関を示し,logPD35GrsについてはX5,Fres,AX の指標と有意な相関を示した。気道感受性(logDmin)についてはX5,Fres,AX の指標と有意な相関を示した。logPD15Grs についてはX5,Fres,AX の指標と有意な相関を示した。FEV1とモストグラフの各指標は有意な相関を示したが,FeNO とは関連を認めなかった。今回の検討から,FeNO,FEV1,モストグラフの各指標による気道過敏性の評価は困難と考えられたものの,リアクタンス成分が気道感受性および気道過敏性を反映する可能性があると示唆された。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.52.7