内視鏡下甲状腺手術後の経路再発と考えられた濾胞癌症例

内視鏡下甲状腺手術は整容的に優れた手術であり, さまざまな術式が報告されている. 今回経腋窩法による内視鏡下甲状腺手術後の経路再発と考えられた症例を経験した. 10年前に他国で内視鏡下左甲状腺手術歴がある38歳女性が左前胸部皮下の多発腫瘤で受診した. 左頸部から腋窩にかけ多発皮下腫瘤を認め針生検で甲状腺由来組織と診断, 外切開切除で濾胞癌と診断された. 内視鏡下甲状腺手術後の経路再発は非常にまれであるが良性, 悪性ともに報告があり. 手術時の被膜損傷が要因とされる. 大きな腫瘍や被膜外浸潤が疑われる症例の適応は慎重に判断すべきであり, 愛護的な操作や摘出時の組織回収袋の使用など経路再発の予防に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 127; no. 10; pp. 1072 - 1078
Main Authors 蝦原, 康宏, 久場, 潔実, 中平, 光彦, 菅澤, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.10.2024
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.127.10_1072

Cover

More Information
Summary:内視鏡下甲状腺手術は整容的に優れた手術であり, さまざまな術式が報告されている. 今回経腋窩法による内視鏡下甲状腺手術後の経路再発と考えられた症例を経験した. 10年前に他国で内視鏡下左甲状腺手術歴がある38歳女性が左前胸部皮下の多発腫瘤で受診した. 左頸部から腋窩にかけ多発皮下腫瘤を認め針生検で甲状腺由来組織と診断, 外切開切除で濾胞癌と診断された. 内視鏡下甲状腺手術後の経路再発は非常にまれであるが良性, 悪性ともに報告があり. 手術時の被膜損傷が要因とされる. 大きな腫瘍や被膜外浸潤が疑われる症例の適応は慎重に判断すべきであり, 愛護的な操作や摘出時の組織回収袋の使用など経路再発の予防に努める必要があると思われた.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.127.10_1072