vHIT, VEMP を用いて手術による前庭機能改善を評価し得た小脳橋角部を占拠する錐体斜台部巨大軟骨肉腫の1例

前庭神経障害は小脳橋角部腫瘍で認められる最も多い神経障害の一つである. vHIT, VEMP の登場により下前庭神経を含めた機能評価が可能となった. 症例は22歳男性で左小脳橋角部を占拠する巨大軟骨肉腫の術前精査目的に当科紹介となった. 術前の vHIT, VEMP で患側の反応低下を認め, 上・下前庭神経両者の障害が示唆された. 術後, 患側 vHIT, VEMP の改善が認められ, 手術による上・下前庭神経障害の改善が客観的に確認された. 聴神経腫瘍以外の小脳橋角部腫瘍において, 手術により圧迫が解除されると神経障害の改善が認められることがある. 術前後の前庭機能評価に vHIT, VEM...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 125; no. 11; pp. 1593 - 1598
Main Authors 山口, 秀, 藤原, 由有希, 本間, 明宏, 藤原, 圭志, 茂木, 洋晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.11.2022
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Subjects
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ISSN2436-5793
2436-5866
DOI10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1593

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Summary:前庭神経障害は小脳橋角部腫瘍で認められる最も多い神経障害の一つである. vHIT, VEMP の登場により下前庭神経を含めた機能評価が可能となった. 症例は22歳男性で左小脳橋角部を占拠する巨大軟骨肉腫の術前精査目的に当科紹介となった. 術前の vHIT, VEMP で患側の反応低下を認め, 上・下前庭神経両者の障害が示唆された. 術後, 患側 vHIT, VEMP の改善が認められ, 手術による上・下前庭神経障害の改善が客観的に確認された. 聴神経腫瘍以外の小脳橋角部腫瘍において, 手術により圧迫が解除されると神経障害の改善が認められることがある. 術前後の前庭機能評価に vHIT, VEMP が有用である.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.125.11_1593