右B3転位気管支を伴う右上葉肺癌の2切除例

はじめに.気管支分岐異常の中で右B3の転位気管支は稀であるが,このような分岐異常を伴う右上葉肺癌に対して手術を行った2症例を経験したため報告する.症例1.45歳女性.胸部CTで右肺S1に1.8 cmの結節影を認めた.気管支鏡下腫瘍生検で腺癌と診断され,cT1bN0M0 stage IA2であった.症例2.69歳女性.胸部CTで右肺S2に2.6 cmの結節影を認めた.経気管支鏡下腫瘍生検で腺癌と診断され,cT1cN0M0 stage IA3であった.いずれの症例も右B3は中葉支から分岐していたが,B1+B2とB3を個別に切離して右肺上葉切除を施行した.B3転位気管支周囲リンパ節は迅速組織診断で転...

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Published in気管支学 Vol. 43; no. 1; pp. 16 - 20
Main Authors 峯岸, 健太郎, 根岸, 秀樹, 坪地, 宏嘉, 大関, 雅樹, 遠藤, 俊輔, 眞木, 充, 大野, 慧介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 25.01.2021
日本呼吸器内視鏡学会
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.43.1_16

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Summary:はじめに.気管支分岐異常の中で右B3の転位気管支は稀であるが,このような分岐異常を伴う右上葉肺癌に対して手術を行った2症例を経験したため報告する.症例1.45歳女性.胸部CTで右肺S1に1.8 cmの結節影を認めた.気管支鏡下腫瘍生検で腺癌と診断され,cT1bN0M0 stage IA2であった.症例2.69歳女性.胸部CTで右肺S2に2.6 cmの結節影を認めた.経気管支鏡下腫瘍生検で腺癌と診断され,cT1cN0M0 stage IA3であった.いずれの症例も右B3は中葉支から分岐していたが,B1+B2とB3を個別に切離して右肺上葉切除を施行した.B3転位気管支周囲リンパ節は迅速組織診断で転移陰性であり,ND2a-1群リンパ節郭清を行った.結語.気管支分岐異常を伴う肺癌の手術では,術前のCTや気管支鏡による解剖の把握が重要であり,腫瘍の局在に応じてリンパ節郭清の範囲を決める必要がある.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.43.1_16