低侵襲の歯周組織再生療法に向けた再考と展望

「はじめに」我が国は, 高い教育や経済, 保健・医療水準に支えられ, 2007年に超高齢社会に突入し世界でも有数の長寿国の一つとなって高齢者率は現在も増加の一途をたどっている. それゆえに, 歯周病に罹患する高齢者や有病者の増加が今後の大きな課題になると考えられる. さらに歯周病が全身の健康と相互に悪影響を及ぼすリスクファクターとして, 様々な全身疾患との関連性が明らかにされつつある. 歯周病治療は口腔の健康を維持するのみではなく, 全身の健康管理という観点からもこれまで以上に重要な位置づけとなりつつある. 近年の歯科診療報酬改定でも歯周病予防に重点を置いており, それに伴い定期的なメインテナ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 64; no. 1; pp. 17 - 24
Main Authors 山内, 伸浩, 今井, 一貴, 梅田, 誠, 嘉藤, 弘仁, 津守, 紀昌, 山脇, 勲, 田口, 洋一郎, 東, 仁, 緒方, 智壽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 31.03.2022
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.64.17

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Summary:「はじめに」我が国は, 高い教育や経済, 保健・医療水準に支えられ, 2007年に超高齢社会に突入し世界でも有数の長寿国の一つとなって高齢者率は現在も増加の一途をたどっている. それゆえに, 歯周病に罹患する高齢者や有病者の増加が今後の大きな課題になると考えられる. さらに歯周病が全身の健康と相互に悪影響を及ぼすリスクファクターとして, 様々な全身疾患との関連性が明らかにされつつある. 歯周病治療は口腔の健康を維持するのみではなく, 全身の健康管理という観点からもこれまで以上に重要な位置づけとなりつつある. 近年の歯科診療報酬改定でも歯周病予防に重点を置いており, それに伴い定期的なメインテナンスやSPTを率先して行う歯科医院が増加する傾向にある. その中で, 歯周基本治療のみでは対応しきれない中等度~重度歯周炎が存在するのも事実である.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.64.17