本邦における造血幹細胞採取等のアフェレーシスの実態調査

同種および自家の末梢血幹細胞採取(PBSCH)はすでに一般診療として確立されたものであるが,近年の医学の進歩により,造血幹細胞移植,採取は多様化している.本邦の現状を把握し,問題点を抽出すべく,細胞治療に関する実態調査を行った.159施設(診療科)より回答を得た.自家PBSCH年間件数では48%の施設で11~25件,37%の施設で1~10件,血縁同種PBSCH年間件数では60%の施設で1~10件,非血縁者で50%の施設で1~10件と回答があった.採取場所は病棟(40%),輸血部門内(36%),透析室(26%)であった.アフェレーシス装置を主に操作するスタッフは臨床工学技士(67%),医師(23...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 69; no. 6; pp. 641 - 647
Main Authors 小原, 明, 長村, 登紀子, 池田, 和彦, 奥山, 美樹, 藤盛, 好啓, 吉原, 哲, 山崎, 理絵, 藥師神, 公和, 池本, 純子, 梶原, 道子, 田野崎, 隆二, 藤原, 実名美, 石田, 明, 原口, 京子, 藤原, 慎一郎, 大戸, 斉, 上田, 恭典, 菊田, 敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 20.12.2023
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.69.641

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Summary:同種および自家の末梢血幹細胞採取(PBSCH)はすでに一般診療として確立されたものであるが,近年の医学の進歩により,造血幹細胞移植,採取は多様化している.本邦の現状を把握し,問題点を抽出すべく,細胞治療に関する実態調査を行った.159施設(診療科)より回答を得た.自家PBSCH年間件数では48%の施設で11~25件,37%の施設で1~10件,血縁同種PBSCH年間件数では60%の施設で1~10件,非血縁者で50%の施設で1~10件と回答があった.採取場所は病棟(40%),輸血部門内(36%),透析室(26%)であった.アフェレーシス装置を主に操作するスタッフは臨床工学技士(67%),医師(23%)であり,主に医師(96%)が末梢血管の穿刺を行い,37%の施設で採取中に医師が常駐していた.分離装置はSpectra Optiaが多く用いられ,89%の施設でプログラムフリーザーを用いずにCP-1を用いて凍結していた.多様化する採取方法に関して本邦の実態が明らかになった.「働き方改革」におけるタスクシフトはこの領域でも重要な課題である.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.69.641