中高年の早期変形性関節症に対する関節鏡単独手術の術後成績

「はじめに」中高年の内側半月板(以下MM)断裂は, 病態として軟骨の変形性変化の合併を伴っていることも多い. また, 中高年のMRIで認められる半月板断裂は, 主に加齢や変形性膝関節症(以下, OA)に伴って生じる二次的な変化であり, 臨床症状の原因が半月板断裂によるものか, 軟骨変性や欠損などに合併するOAに伴うものかの慎重な判断が必要との報告もある. 治療においては, 半月板の機能保持のため可能な限り縫合が望ましいと思われるが, 半月板自体の質の低下や変性断裂により縫合が困難な場合や, 部分切除をせざるを得ない場合もある. したがって, 軽度変形性変化を伴うMM損傷の場合, 半月板に対する...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 40; no. 4; pp. 370 - 375
Main Authors 佐藤, 敦, 髙木, 博, 川島, 史義, 加藤, 慎, 古屋, 貴之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2021
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ISSN1883-2873
1884-9067
DOI10.11551/jsjd.40.370

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Summary:「はじめに」中高年の内側半月板(以下MM)断裂は, 病態として軟骨の変形性変化の合併を伴っていることも多い. また, 中高年のMRIで認められる半月板断裂は, 主に加齢や変形性膝関節症(以下, OA)に伴って生じる二次的な変化であり, 臨床症状の原因が半月板断裂によるものか, 軟骨変性や欠損などに合併するOAに伴うものかの慎重な判断が必要との報告もある. 治療においては, 半月板の機能保持のため可能な限り縫合が望ましいと思われるが, 半月板自体の質の低下や変性断裂により縫合が困難な場合や, 部分切除をせざるを得ない場合もある. したがって, 軽度変形性変化を伴うMM損傷の場合, 半月板に対する単独手術か, 内側コンパートメントに対する荷重負荷の軽減目的を考慮して, 高位脛骨骨切り術(以下, HTO)の併用をすべきかを迷う症例も認める.
ISSN:1883-2873
1884-9067
DOI:10.11551/jsjd.40.370