保存的加療が行われた急性胆嚢炎症例における手術待機期間中の再燃リスク因子としての画像所見の検討

目的:保存的加療が行われた軽症の急性結石性胆嚢炎において,手術までに胆嚢炎が再発するリスクとなる画像所見を明らかにすること.方法:対象は,当院にて2011年4月から2022年12月までに行った胆嚢摘出症例のうち,術前1年以内に軽症胆嚢炎をきたし保存的に加療されていた80例.CT画像で胆嚢内結石嵌頓,胆嚢内結石径,胆嚢短軸径,胆管径,胆嚢管長,の5因子を評価し,それぞれ所見の有無や程度によって2群に分けて術前再発率を後向きに比較検討した.結果:8例で手術までに急性胆嚢炎を再発した.評価した5因子のうち,胆嚢管長が24.8mm未満の症例では有意に再発率が高かった(p<0.01,Log rank検定...

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Published in胆道 Vol. 38; no. 1; pp. 58 - 69
Main Authors 田中, 啓, 白﨑, 友彬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本胆道学会 31.03.2024
日本胆道学会
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.38.58

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Summary:目的:保存的加療が行われた軽症の急性結石性胆嚢炎において,手術までに胆嚢炎が再発するリスクとなる画像所見を明らかにすること.方法:対象は,当院にて2011年4月から2022年12月までに行った胆嚢摘出症例のうち,術前1年以内に軽症胆嚢炎をきたし保存的に加療されていた80例.CT画像で胆嚢内結石嵌頓,胆嚢内結石径,胆嚢短軸径,胆管径,胆嚢管長,の5因子を評価し,それぞれ所見の有無や程度によって2群に分けて術前再発率を後向きに比較検討した.結果:8例で手術までに急性胆嚢炎を再発した.評価した5因子のうち,胆嚢管長が24.8mm未満の症例では有意に再発率が高かった(p<0.01,Log rank検定).結論:軽症急性結石性胆嚢炎の保存的加療後,胆嚢管長が短い症例では胆嚢炎が再発しやすい可能性が示唆された.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.38.58