両側総頚動脈閉塞に対して血行再建術を行った1例
「はじめに」総頚動脈閉塞症は比較的まれな疾患であり, 確立された術式は存在しない. Rilesらは, 総頚動脈閉塞を4つに分類してそれぞれに有効な術式が異なることを報告し, その後も多くの術式が報告されている. 今回われわれは両側の総頚動脈閉塞に右椎骨動脈閉塞, 左鎖骨下動脈閉塞を伴う複雑な血行動態を有する症例を経験した. 複雑な血行動態のため術式の決定は困難であったが, Rilesの分類を参考に術式を順に検討することで最適な術式を決定し, 良好な経過を得たので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」73歳, 女性. 主訴 : 数週間前から繰り返す一過性の両側下肢脱力と意識レベル低下. 既往...
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| Published in | 脳卒中の外科 Vol. 48; no. 1; pp. 53 - 57 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2020
日本脳卒中の外科学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI | 10.2335/scs.48.53 |
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| Summary: | 「はじめに」総頚動脈閉塞症は比較的まれな疾患であり, 確立された術式は存在しない. Rilesらは, 総頚動脈閉塞を4つに分類してそれぞれに有効な術式が異なることを報告し, その後も多くの術式が報告されている. 今回われわれは両側の総頚動脈閉塞に右椎骨動脈閉塞, 左鎖骨下動脈閉塞を伴う複雑な血行動態を有する症例を経験した. 複雑な血行動態のため術式の決定は困難であったが, Rilesの分類を参考に術式を順に検討することで最適な術式を決定し, 良好な経過を得たので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」73歳, 女性. 主訴 : 数週間前から繰り返す一過性の両側下肢脱力と意識レベル低下. 既往歴 : 糖尿病 (HbA1c 8.2%), 脂質異常症, 高血圧. 現病歴 : 数週間前から一過性に両足に力が入らなくなり, 意識レベルがJapan Coma Scale (JCS) 1-2程度へ低下することが週に1-2回あり, 当院内科を受診した. |
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| ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI: | 10.2335/scs.48.53 |