Suction decompression法を用いたクリッピング術後にみられた低Na血症についての検討

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 48; no. 1; pp. 14 - 17
• Main Authors: 西村, 文彦, 中川, 一郎, 山田, 修一, 高村, 慶旭, 本山, 靖, 中瀬, 裕之, 朴, 永銖
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2020; 日本脳卒中の外科学会
• Subjects: hyponatremia; SIADH; suction decompression
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs.48.14

「はじめに」大型・巨大内頚動脈瘤のクリッピングにおいて, suction decompression法を用いることは有用であり, われわれも積極的に本法を用いている. suction decompression法の合併症としては動脈解離や脳塞栓症などが報告されているが, 術後の低Na血症についてはあまり知られていない. 今回われわれは, suction decompression法を用いた内頚動脈瘤クリッピング術後に低Na血症を呈した自験例をもとに, その病態と原因について検討した. 「対象」2016年7月から2017年8月までに当施設で施行した脳動脈瘤クリッピング術は78例 (未破裂40例, 破裂38例) あり, そのうち5例の大型・巨大内頚動脈瘤に対してsuction decompression法を用いたクリッピング術を施行した. 5例とも未破裂であった. 5例中3例に術後低Na血症がみられ, その3例の内訳は, 性別は女性2例, 男性1例で, 年齢は41-60歳 (平均52.7歳) であった.