術前診断可能であった胆嚢捻転症の1例

術前診断可能であった胆嚢捻転症を経験したので報告する.症例は83歳,女性.突然の腹痛が出現し,他医を受診.急性胆嚢炎と診断され抗生剤内服で経過観察されていた.2日後,症状改善ないため当院受診した.CT検査で遊走胆嚢と胆嚢腫大,造影にて壁の阻血所見と渦巻像が認められた.以上の所見から胆嚢捻転症と診断され手術を行われた.胆嚢は壊死に陥っており,頚部で反時計回りに360度回転していた.捻転を解除したのちに胆嚢摘出術が施行された.胆嚢捻転症は遊走胆嚢の状態で胆嚢頚部や胆嚢管で捻転を起こし血行障害から急激な壊死性変化を起こす疾患である.早期の術前診断が重要である.一般に画像診断法として超音波,CT,MR...

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Published in山口医学 Vol. 65; no. 1; pp. 71 - 74
Main Authors 須田, 博喜, 山口, 裕樹, 藤井, 康宏, 国居, 由香, 三谷, 伸之, 久我, 貴之, 平田, 健, 井口, 智浩, 永冨, 裕二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.02.2016
Subjects
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ISSN0513-1731
1880-4462
DOI10.2342/ymj.65.71

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Summary:術前診断可能であった胆嚢捻転症を経験したので報告する.症例は83歳,女性.突然の腹痛が出現し,他医を受診.急性胆嚢炎と診断され抗生剤内服で経過観察されていた.2日後,症状改善ないため当院受診した.CT検査で遊走胆嚢と胆嚢腫大,造影にて壁の阻血所見と渦巻像が認められた.以上の所見から胆嚢捻転症と診断され手術を行われた.胆嚢は壊死に陥っており,頚部で反時計回りに360度回転していた.捻転を解除したのちに胆嚢摘出術が施行された.胆嚢捻転症は遊走胆嚢の状態で胆嚢頚部や胆嚢管で捻転を起こし血行障害から急激な壊死性変化を起こす疾患である.早期の術前診断が重要である.一般に画像診断法として超音波,CT,MRIが行われている.自験例ではCTで胆嚢底部の偏位,胆嚢壁の阻血所見,浮腫性変化および渦巻像より術前診断可能であった.文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.65.71