食道ESD施行中に一過性心停止を生じた洞不全症候群合併表在型食道癌の一例

症例は70歳代前半の男性.中部食道の表在型食道癌に対し,内視鏡的粘膜下層剥離術(endscopic submucosal dissection, ESD)を施行した.術中に頻脈・高血圧を認め,適宜ニカルジピン投与で対応していたところ,突然一過性の心停止を認めた.心マッサージを行うことにより速やかに心拍再開し,循環器内科医師の来診後,経皮ペーシング準備の元でESDを続行し,病変を一括切除し得た.術後施行したHolter心電図では洞不全症候群の診断であった.本症例は,食道ESD術中のエピネフリン局注が頻脈・高血圧に関係したと推定され,ニカルジピン投与後に洞不全症候群による一過性の心停止を来した,稀...

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Published in山口医学 Vol. 63; no. 1; pp. 37 - 42
Main Authors 柳井, 秀雄, 内本, 亮吾, 古谷, 雄司, 相部, 祐希, 林, 弘人, 村上, 知之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.02.2014
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ISSN0513-1731
1880-4462
DOI10.2342/ymj.63.37

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Summary:症例は70歳代前半の男性.中部食道の表在型食道癌に対し,内視鏡的粘膜下層剥離術(endscopic submucosal dissection, ESD)を施行した.術中に頻脈・高血圧を認め,適宜ニカルジピン投与で対応していたところ,突然一過性の心停止を認めた.心マッサージを行うことにより速やかに心拍再開し,循環器内科医師の来診後,経皮ペーシング準備の元でESDを続行し,病変を一括切除し得た.術後施行したHolter心電図では洞不全症候群の診断であった.本症例は,食道ESD術中のエピネフリン局注が頻脈・高血圧に関係したと推定され,ニカルジピン投与後に洞不全症候群による一過性の心停止を来した,稀な症例と考えられた.
ISSN:0513-1731
1880-4462
DOI:10.2342/ymj.63.37