和歌山県下における硬膜動静脈瘻の頻度と特徴
「はじめに」 硬膜動静脈瘻は主に硬膜において動脈と静脈のシャントが形成されることによって生じる疾患で, その成因についてまだ不明な点が多い. 成人に発生する硬膜動静脈瘻の多くは後天性と考えられ, 頭部外傷, 手術, 静脈洞血栓が硬膜静脈洞部に変化をもたらし, 小さな生理的硬膜動静脈チャンネルが拡大し形成されると考えられている5). 硬膜動静脈瘻はその発症頻度についての報告は少なく, 古くはNewtonらの頭蓋内動静脈短絡性疾患の12%10)であるという報告, 2003年Al-Shahiらはスコットランド人10万人あたり年間0.16人1), 2004年桑山らは日本人10万人あたり年間0.29人と...
Saved in:
Published in | 脳卒中の外科 Vol. 40; no. 1; pp. 24 - 27 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2012
日本脳卒中の外科学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.40.24 |
Cover
Summary: | 「はじめに」 硬膜動静脈瘻は主に硬膜において動脈と静脈のシャントが形成されることによって生じる疾患で, その成因についてまだ不明な点が多い. 成人に発生する硬膜動静脈瘻の多くは後天性と考えられ, 頭部外傷, 手術, 静脈洞血栓が硬膜静脈洞部に変化をもたらし, 小さな生理的硬膜動静脈チャンネルが拡大し形成されると考えられている5). 硬膜動静脈瘻はその発症頻度についての報告は少なく, 古くはNewtonらの頭蓋内動静脈短絡性疾患の12%10)であるという報告, 2003年Al-Shahiらはスコットランド人10万人あたり年間0.16人1), 2004年桑山らは日本人10万人あたり年間0.29人と報告している程度である7). このように, 今までは非常にまれと考えられていた疾患であるが, 近年, 画像診断技術の進歩がめざましくMRIで偶然発見される症例もあり, 臨床診療上の発症頻度はもう少し高い印象があった. |
---|---|
ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.40.24 |