頭蓋内ステント承認後の10mm以上の大型動脈瘤に対する塞栓術後の治療成績の検討

「はじめに」大型および巨大脳動脈瘤に対する直達手術では, その解剖学的な環境要因から動脈瘤のネッククリッピングが困難なことが多く, 頭蓋外-頭蓋内もしくは頭蓋内-頭蓋内バイパスなどの血行再建術を併用した母血管閉塞が行われることが多い. 一方, 脳血管内治療は病変に到達する際に脳や神経などを圧排することなく低侵襲で行える利点があるが, 大型動脈瘤に対する瘤内塞栓術の再開通率および合併症率は決して低くなく, 満足な治療成績が得られていないのが現状である. 近年の脳血管内治療の著しい進歩の中, 2010年7月よりEnterprise VRD(Codman, Miami, FL, USA), また20...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 1; pp. 37 - 42
Main Authors 川西, 正彦, 河井, 信行, 田宮, 隆, 新堂, 敦, 河北, 賢哉, 岡内, 正信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.37

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Summary:「はじめに」大型および巨大脳動脈瘤に対する直達手術では, その解剖学的な環境要因から動脈瘤のネッククリッピングが困難なことが多く, 頭蓋外-頭蓋内もしくは頭蓋内-頭蓋内バイパスなどの血行再建術を併用した母血管閉塞が行われることが多い. 一方, 脳血管内治療は病変に到達する際に脳や神経などを圧排することなく低侵襲で行える利点があるが, 大型動脈瘤に対する瘤内塞栓術の再開通率および合併症率は決して低くなく, 満足な治療成績が得られていないのが現状である. 近年の脳血管内治療の著しい進歩の中, 2010年7月よりEnterprise VRD(Codman, Miami, FL, USA), また2012年10月よりNeuroform EZ(Stryker, Kalamazoo, MI, USA)が相次いで本邦で承認され, ネックの広い大型動脈瘤についてもこれらのステントを併用した治療が可能となってきた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.37