発作性心房細動患者における再肺静脈隔離後の再発因子の検討

発作性心房細動(PAF)に対する肺静脈隔離術(PVI)の有用性は確立されている.しかし,複数回のPVIを行ったにもかかわらず,再発をきたす症例は存在する.今回われわれは,当施設でPAFに対し2度目のカテーテルアブレーション(セカンドセッション)を行った連続61例を対象に,その患者背景,最終アブレーション成績,再発因子を後ろ向きに検討した.セカンドセッション後1年間で,61例のうち,21例に再発(AF 12例,心房頻拍9例)を認めた.再発群(n=21)と非再発群(n=40)の間に,年齢・性別・AF罹患期間・CHADS2スコア・心房径などの患者背景に差は認めなかった.しかし,セカンドセッション時に...

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Published in心電図 Vol. 35; no. 1; pp. 15 - 23
Main Authors 宮本, 康二, 石橋, 耕平, 鎌倉, 史郎, 中島, 育太郎, 山田, 優子, 相庭, 武司, 岡村, 英夫, 野田, 崇, 川上, 大志, 草野, 研吾, 里見, 和浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2015
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.35.15

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Summary:発作性心房細動(PAF)に対する肺静脈隔離術(PVI)の有用性は確立されている.しかし,複数回のPVIを行ったにもかかわらず,再発をきたす症例は存在する.今回われわれは,当施設でPAFに対し2度目のカテーテルアブレーション(セカンドセッション)を行った連続61例を対象に,その患者背景,最終アブレーション成績,再発因子を後ろ向きに検討した.セカンドセッション後1年間で,61例のうち,21例に再発(AF 12例,心房頻拍9例)を認めた.再発群(n=21)と非再発群(n=40)の間に,年齢・性別・AF罹患期間・CHADS2スコア・心房径などの患者背景に差は認めなかった.しかし,セカンドセッション時にPV再伝導を認めた割合は,非再発群で有意に多かった(非再発群:39/40;97.5% vs. 再発群:17/21;80.9%, p=0.025).また,両群間でNon-PV fociの合併率には差はなかったが(再発群:14/21;66.7%vs. 非再発群:17/40;42.5%, p=0.073),Non-PV fociの起源を特定し,最終的に消失し得た割合は非再発群に有意に多かった(再発群:7/14;50% vs. 非再発群:15/17;88%, p=0.019).結論として,Non-PV fociの存在はAFアブレーションの成績に大きく関与しており,可能な限りその起源を特定し,消失を目指すことが重要であることが示された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.35.15