高密度フィラー含有ハイブリッド型硬質レジンの天然歯との衝撃滑走摩耗試験
「緒言」審美性にすぐれたクラウン, ブリッジ用材料として古くから用いられてきた陶材は, 化学的安定性が高く, 生体安全性ならびに耐変色性にもすぐれているという長所をもっている. 一方, エナメル質より硬くてもろいため対合天然歯の摩耗1-5)や陶材自体の破折8)などが危惧され, また製作に熟練された技術を必要とし, 高価であるという欠点も指摘されてきた. これらの欠点をなくすものとして熱硬化性レジンによる硬質レジンが導入され, さらに光重合型コンポジットレジンが応用されるに至り, 簡便な操作で安価に審美的修復物が得られるようになった. しかし, いずれもレジンをベースとしているため, 耐摩耗性な...
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Published in | 九州歯科学会雑誌 Vol. 55; no. 1; pp. 1 - 10 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州歯科学会
2001
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ISSN | 0368-6833 1880-8719 |
DOI | 10.2504/kds.55.1 |
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Summary: | 「緒言」審美性にすぐれたクラウン, ブリッジ用材料として古くから用いられてきた陶材は, 化学的安定性が高く, 生体安全性ならびに耐変色性にもすぐれているという長所をもっている. 一方, エナメル質より硬くてもろいため対合天然歯の摩耗1-5)や陶材自体の破折8)などが危惧され, また製作に熟練された技術を必要とし, 高価であるという欠点も指摘されてきた. これらの欠点をなくすものとして熱硬化性レジンによる硬質レジンが導入され, さらに光重合型コンポジットレジンが応用されるに至り, 簡便な操作で安価に審美的修復物が得られるようになった. しかし, いずれもレジンをベースとしているため, 耐摩耗性ならびに耐変色性は十分とは言いがたい7). 近年, 審美性の要求は前歯部のみでなく臼歯部においても高まり, 臼歯部クラウン, ブリッジ用として応用可能な, セラミックフィラーを高密度に含有するハイブリッド型硬質レジンが開発された8). そこで本研究では, それらの中で最もフィラー充填率の高い市販品(エステニア, クラレ)を選び, その摩耗挙動について数種の臼歯部歯冠修復用材料と比較検討した. |
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ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.55.1 |