急性脳血管閉塞症例に対する血管内治療─血栓回収療法導入前後での比較
「はじめに」脳梗塞急性期の治療は, 脳卒中ガイドラインの作成, 薬剤や治療機器の開発により, めざましく進歩している. 日本では2005年10月からrecombinant tissue-plasminogen activator(rt-PA:アルテプラーゼ)静注療法が認可され, 禁忌項目を有さない発症4.5時間以内の脳梗塞患者に対する標準的治療となっている. 一方で, 血管内治療は発症6時間以内の中大脳動脈閉塞症例に対する局所線溶療法の有効性が報告され, 脳血管拡張用バルーンを用いた血管形成, 血栓破砕を組み合わせて行うようになった. 経皮的経管的脳血栓回収療法はMerci Retrieval...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 44; no. 1; pp. 43 - 48 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2016
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.44.43 |
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Summary: | 「はじめに」脳梗塞急性期の治療は, 脳卒中ガイドラインの作成, 薬剤や治療機器の開発により, めざましく進歩している. 日本では2005年10月からrecombinant tissue-plasminogen activator(rt-PA:アルテプラーゼ)静注療法が認可され, 禁忌項目を有さない発症4.5時間以内の脳梗塞患者に対する標準的治療となっている. 一方で, 血管内治療は発症6時間以内の中大脳動脈閉塞症例に対する局所線溶療法の有効性が報告され, 脳血管拡張用バルーンを用いた血管形成, 血栓破砕を組み合わせて行うようになった. 経皮的経管的脳血栓回収療法はMerci Retrieval System(Concentric Medical社)およびPenumbra System(Penumbra社)が開発され, 発症8時間以内の内頚動脈, 中大脳動脈, 椎骨動脈, 脳底動脈の閉塞症例のうち, rt-PA静注療法の適応外またはrt-PA静注療法で血流再開が得られなかった症例を対象に, 日本では2010年10月に保険収載され現在広く行われている. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.44.43 |