複数回の塞栓術と反復的ガンマナイフ治療で完治した大型脳動静脈奇形の1例
「はじめに」 小型の脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)では定位放射線治療が良好な治療成績を収めている5). 一方, 大型AVMでは, 集学的治療が一般的になってきている. しかし年間出血率は小型AVMに比べ少ないこと, 外科的治療の合併症が少なくないこと, 摘出後や定位放射線治療後の残存などの諸問題があり, しばしば治療に難渋する. 大型AVMに対する数回の塞栓術と反復定位放射線治療の報告は散見されるが, 完全閉塞例の詳細な報告は少ない6)8). 今回, われわれは出血発症の大型AVMに対し, 複数回の塞栓術と初回のガンマナイフ治療(GKS)に残存し反...
Saved in:
Published in | 脳卒中の外科 Vol. 40; no. 1; pp. 49 - 54 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2012
日本脳卒中の外科学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.40.49 |
Cover
Summary: | 「はじめに」 小型の脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)では定位放射線治療が良好な治療成績を収めている5). 一方, 大型AVMでは, 集学的治療が一般的になってきている. しかし年間出血率は小型AVMに比べ少ないこと, 外科的治療の合併症が少なくないこと, 摘出後や定位放射線治療後の残存などの諸問題があり, しばしば治療に難渋する. 大型AVMに対する数回の塞栓術と反復定位放射線治療の報告は散見されるが, 完全閉塞例の詳細な報告は少ない6)8). 今回, われわれは出血発症の大型AVMに対し, 複数回の塞栓術と初回のガンマナイフ治療(GKS)に残存し反復GKSにより完治しえた1例を経験したので文献的考察も加え報告する. 「症例」 患者:31歳女性. 2000年10月, 頭痛を主訴に他院を受診. 頭部CTで脳室内出血を指摘(Fig. 1A). MRIで右頭頂葉に最大径70mmの大型AVMを指摘(Fig. 1B). |
---|---|
ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.40.49 |