妊娠期に脳動静脈奇形による脳内出血を生じた2例
「はじめに」妊娠に関連した頭蓋内出血はまれではあるが致命率が高く, DIC(disseminated intravascular coagulation)や分娩時の大量出血などの直接産科的原因を除くと妊産婦死亡の主要な原因となっている2). 出血原因としては脳動脈瘤やAVM(arteriovenous malformation)の破裂が多く, 妊娠中にAVMから出血すると非妊娠時より母体死亡率が高いと報告されている3). 今回われわれは, 妊娠期にAVMによる脳内出血を生じ, 発症当日に緊急開頭血腫除去, AVM摘出術を行い母児ともに良好な経過が得られた2症例を経験したので文献的考察を加え報告...
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| Published in | 脳卒中の外科 Vol. 41; no. 1; pp. 60 - 64 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2013
日本脳卒中の外科学会 |
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| ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI | 10.2335/scs.41.60 |
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| Summary: | 「はじめに」妊娠に関連した頭蓋内出血はまれではあるが致命率が高く, DIC(disseminated intravascular coagulation)や分娩時の大量出血などの直接産科的原因を除くと妊産婦死亡の主要な原因となっている2). 出血原因としては脳動脈瘤やAVM(arteriovenous malformation)の破裂が多く, 妊娠中にAVMから出血すると非妊娠時より母体死亡率が高いと報告されている3). 今回われわれは, 妊娠期にAVMによる脳内出血を生じ, 発症当日に緊急開頭血腫除去, AVM摘出術を行い母児ともに良好な経過が得られた2症例を経験したので文献的考察を加え報告する. 「症例」〈症例1〉21歳, 女性(妊娠歴0回, 出産歴0回). 主訴: 意識障害, 嘔吐, 右半身麻痺. 既往歴: 特記なし. 現病歴: 妊娠30週で, 妊娠経過は順調であった. 2011年A月B日, 午前5時30分頃, 夫が横をみると妻がいないことに気づき探すとトイレで嘔吐しうずくまっているところを発見. |
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| ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI: | 10.2335/scs.41.60 |