頚部内頚動脈高度狭窄症の血行力学的脳梗塞リスクを予測する脳循環シミュレーションモデル
「はじめに」頚部内頚動脈高度狭窄症はアテローム血栓症の一病態であり, 同側脳梗塞のリスク要因の1つと考えられている. NASCET法で60%以上の無症候性頚部頚動脈高度狭窄症に対して, 脳卒中治療ガイドライン2009, 脳ドックガイドライン2014で, 抗血小板薬による脳梗塞の1次予防, スタチンによる脂質低下療法, 2型糖尿病患者では血糖コントロールによるプラークの退縮・安定化などの積極的内科的治療が推奨されており, さらにこれら内科的治療に加えて, 頚動脈内膜剥離術 (carotid endarterectomy : CEA) が周術期合併症3%未満の術者, 施設という条件付きで推奨されて...
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| Published in | 脳卒中の外科 Vol. 43; no. 2; pp. 91 - 97 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2015
日本脳卒中の外科学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI | 10.2335/scs.43.91 |
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| Summary: | 「はじめに」頚部内頚動脈高度狭窄症はアテローム血栓症の一病態であり, 同側脳梗塞のリスク要因の1つと考えられている. NASCET法で60%以上の無症候性頚部頚動脈高度狭窄症に対して, 脳卒中治療ガイドライン2009, 脳ドックガイドライン2014で, 抗血小板薬による脳梗塞の1次予防, スタチンによる脂質低下療法, 2型糖尿病患者では血糖コントロールによるプラークの退縮・安定化などの積極的内科的治療が推奨されており, さらにこれら内科的治療に加えて, 頚動脈内膜剥離術 (carotid endarterectomy : CEA) が周術期合併症3%未満の術者, 施設という条件付きで推奨されている. このCEA推奨の根拠は, Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study (ACAS) とAsymptomatic Carotid Surgery Trial (ACST) の2つの大規模なrandomized controlled trial (RCT) の結果で, 内科治療単独群が年間約2%前後の脳梗塞もしくは死亡リスクであったのに対して, CEA治療群が年間約1-1.3%のリスクで有意差があったことに基づいている. |
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| ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
| DOI: | 10.2335/scs.43.91 |