若手脳神経外科医が脳血管外科手術を習得するための教育法

「はじめに」脳血管外科手術には, 繊細な顕微鏡下手術操作と, 中枢神経および脈管をはじめとする頭蓋内微小解剖の理解が必要である. 脳血管外科手術を通して得る手術理論と手技および知識は, すべての脳神経外科手術領域の基盤であり, 修練医がまず学習すべき領域である. 外科手術手技は, かつては指導医の監視のもとで, いわゆるon-the-job trainingによって学習することが多かったと想像される. しかし昨今, 脳神経血管内治療の実施件数の増加により, 必然的に経験できる血管外科直達手術の件数は減少している. このような状況下で, いかに若手脳神経外科医師に手術教育を行うかは, 重要課題で...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 47; no. 1; pp. 33 - 40
Main Authors 内村, 昌裕, 秋山, 恭彦, 木村, 麗新, 藤原, 勇太, 宮嵜, 健史, 吉金, 努, 加川, 隆登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2019
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.47.33

Cover

More Information
Summary:「はじめに」脳血管外科手術には, 繊細な顕微鏡下手術操作と, 中枢神経および脈管をはじめとする頭蓋内微小解剖の理解が必要である. 脳血管外科手術を通して得る手術理論と手技および知識は, すべての脳神経外科手術領域の基盤であり, 修練医がまず学習すべき領域である. 外科手術手技は, かつては指導医の監視のもとで, いわゆるon-the-job trainingによって学習することが多かったと想像される. しかし昨今, 脳神経血管内治療の実施件数の増加により, 必然的に経験できる血管外科直達手術の件数は減少している. このような状況下で, いかに若手脳神経外科医師に手術教育を行うかは, 重要課題である. 当施設では, ラボでの基本手術手技学習, 術前画像をもとにしたデジタル手術イラスト作成による3次元的な手術解剖の学習, 術者の全体像と顕微鏡下手術画像を同期させた手術映像記録を利用した手術イメージトレーニング, 以上の3つを柱とする脳神経外科手術教育を行っている.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.47.33