末梢血幹細胞採取における中間産物中CD34陽性細胞数測定の有用性に関する検討
末梢血幹細胞採取(PBSCH)では効率よく目標とする造血幹細胞を採取することが重要である.そこで我々はPBSCH中に産物中CD34陽性細胞濃度で処理量を調節することが最適な採取に繋がったかを後方視的に検討した.対象は同種PBSCH28件,自家PBSCH24件の計52件で,PBSCH中の産物中CD34陽性細胞濃度(中間値)と終了後の産物中CD34陽性細胞濃度(最終値)の相関は,全体(R=0.986),同種(R=0.973),自家(R=0.996)で強い相関を認めた.中間値と最終値がどの程度変化したのか(CD34変化率)は同種PBSCH群では中央値101%(範囲79~129)であったが,自家PBS...
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| Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 69; no. 6; pp. 634 - 640 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
20.12.2023
日本輸血・細胞治療学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1881-3011 1883-0625 |
| DOI | 10.3925/jjtc.69.634 |
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| Summary: | 末梢血幹細胞採取(PBSCH)では効率よく目標とする造血幹細胞を採取することが重要である.そこで我々はPBSCH中に産物中CD34陽性細胞濃度で処理量を調節することが最適な採取に繋がったかを後方視的に検討した.対象は同種PBSCH28件,自家PBSCH24件の計52件で,PBSCH中の産物中CD34陽性細胞濃度(中間値)と終了後の産物中CD34陽性細胞濃度(最終値)の相関は,全体(R=0.986),同種(R=0.973),自家(R=0.996)で強い相関を認めた.中間値と最終値がどの程度変化したのか(CD34変化率)は同種PBSCH群では中央値101%(範囲79~129)であったが,自家PBSCH群では123%(85~192)であり,自家PBSCH群で有意に高値を呈した(p<0.001).また,単核球(MNC)採取開始までの時間が11分以上だった群で有意に中間値よりも最終値が高値であった(p=0.025).中間値を用いて適切なPBSCHが可能であったが,自家PBSCH例,MNC採取開始までに長時間を要する例などでは中間値より最終値が高値となる可能性があり測定時には考慮が必要である. |
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| ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
| DOI: | 10.3925/jjtc.69.634 |