急性期の進行性脳梗塞に対するSTA-MCAバイパスに伴うリスク回避のための外科的対処の一方法 ─ジャンピング・バイパスについて

脳梗塞急性期における治療抵抗性の脳梗塞に対して,過灌流を予防しつつ灌流の不均等さを是正するための手術方式を紹介する.この手技は,1本の浅側頭動脈の途中を側側吻合とし先端部分を端側吻合とすることで,離れた領域に灌流を可能とするものである.提示する症例は79歳の進行性脳梗塞の患者で,浅側頭動脈近位部を側側吻合で側頭葉にバイパスし,次いで遠位部を端側吻合で前頭葉にバイパスした.この手術方法によって,症例は過灌流症状を呈することなく急速な症状改善を示した.この方法は,シングルバイパスでは灌流が不十分となる場合や,過灌流が予想されるような対象に対して有効な対処法かもしれない....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 49; no. 6; pp. 468 - 473
Main Authors 一之瀬, 峻輔, 本郷, 一博, 神谷, 圭祐, 佐藤, 篤, 佐々木, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2021
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.49.468

Cover

More Information
Summary:脳梗塞急性期における治療抵抗性の脳梗塞に対して,過灌流を予防しつつ灌流の不均等さを是正するための手術方式を紹介する.この手技は,1本の浅側頭動脈の途中を側側吻合とし先端部分を端側吻合とすることで,離れた領域に灌流を可能とするものである.提示する症例は79歳の進行性脳梗塞の患者で,浅側頭動脈近位部を側側吻合で側頭葉にバイパスし,次いで遠位部を端側吻合で前頭葉にバイパスした.この手術方法によって,症例は過灌流症状を呈することなく急速な症状改善を示した.この方法は,シングルバイパスでは灌流が不十分となる場合や,過灌流が予想されるような対象に対して有効な対処法かもしれない.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.49.468