心不全患者に対する単回の下肢運動が心拍数,血圧,自覚的疲労感および心臓自律神経活動に及ぼす影響

【目的】症状安定早期の心不全症例に対し単回の下肢運動(LET)を行い,循環器指標並びに自覚的疲労感(RPE)応答と重症度に応じた循環応答の差異について心臓自律神経活動を用いて検討する。【方法】対象は心不全症例20例。5分間の下肢運動を行い心拍数(HR),血圧(SBP),心拍変動(LF,HF,LF/HF),RPEの変化を測定した。対象を軽症群と重症群に分類し群間での比較を実施した。【結果】症例全体ではLETに伴いHRとRPEが上昇した。LET後20分には前値へ回復した。HFのLETに伴う低下はLET20分後も持続した。重症群ではHFがLETで低下し,その低下はLET後40分まで持続した。一方軽症...

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Published in理学療法学 Vol. 40; no. 1; pp. 1 - 9
Main Authors 高橋, 敬子, 塩谷, 英之, 道逸, 和久, 笹沼, 直樹, 田中, 隆史, 山内, 真哉, 井谷, 祐介, 大柳, 光正, 眞渕, 敏, 児玉, 典彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.02.2013
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00008584562

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Summary:【目的】症状安定早期の心不全症例に対し単回の下肢運動(LET)を行い,循環器指標並びに自覚的疲労感(RPE)応答と重症度に応じた循環応答の差異について心臓自律神経活動を用いて検討する。【方法】対象は心不全症例20例。5分間の下肢運動を行い心拍数(HR),血圧(SBP),心拍変動(LF,HF,LF/HF),RPEの変化を測定した。対象を軽症群と重症群に分類し群間での比較を実施した。【結果】症例全体ではLETに伴いHRとRPEが上昇した。LET後20分には前値へ回復した。HFのLETに伴う低下はLET20分後も持続した。重症群ではHFがLETで低下し,その低下はLET後40分まで持続した。一方軽症群ではLETに伴う低下はLET後10分で消失した。軽症群ではRPEがLET後に速やかな回復を認めた。【結論】症例全体ではRPEが3程度の負荷にて副交感神経活動が低下した。重症群では負荷に対する自覚的疲労感が強く,副交感神経活動や心拍応答の低下が認められた。軽症群では速やかな副交感神経活動応答を示した。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008584562