非外傷性不全脊髄損傷患者に対する体重免荷トレッドミルトレーニング (BWSTT) が歩行能力に及ぼす影響
非外傷性不全脊髄損傷患者に対する体重免荷トレッドミルトレーニングの,歩行能力に対する影響を検討した。症例は,観血的治療を施行された不全四肢麻痺患者1例,不全対麻痺患者2例の計3症例で,いずれも術後7日目より通常の理学療法介入を実施した。その後,下肢筋力や歩行能力の変化が,通常理学療法介入開始時と比べて小さくなってきた時点で,体重免荷トレッドミルトレーニングによる介入へと変更した。下肢筋力や歩行能力の変化を検討するため,American Spinal Injury Association Impairment Scale(ASIA),Lower Limb Motor Score(LLMS),Fu...
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Published in | 理学療法学 Vol. 33; no. 1; pp. 7 - 13 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
20.02.2006
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00004224905 |
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Summary: | 非外傷性不全脊髄損傷患者に対する体重免荷トレッドミルトレーニングの,歩行能力に対する影響を検討した。症例は,観血的治療を施行された不全四肢麻痺患者1例,不全対麻痺患者2例の計3症例で,いずれも術後7日目より通常の理学療法介入を実施した。その後,下肢筋力や歩行能力の変化が,通常理学療法介入開始時と比べて小さくなってきた時点で,体重免荷トレッドミルトレーニングによる介入へと変更した。下肢筋力や歩行能力の変化を検討するため,American Spinal Injury Association Impairment Scale(ASIA),Lower Limb Motor Score(LLMS),Functional Independence Measure(FIM)(移動項目のみ),歩行速度,平均歩幅,歩行率を評価した。その結果,体重免荷トレッドミルトレーニング介入期間内では,ASIAおよびLLMSは変化量が小さかったが,FIMは1(全介助)から5(監視)または6(修正自立)まで改善,さらに歩行速度,平均歩幅,歩行率も向上した。故に,非外傷性の症例に対する体重免荷トレッドミルトレーニングは,麻痺や下肢筋力への影響は小さいが,歩行能力への影響が大きいトレーニングであることが示唆された。 |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00004224905 |