脊柱の変形部位が静止立位姿勢制御に及ぼす影響 - 思春期特発性側弯症のシングルカーブにおける検討

【目的】思春期特発性側弯症(以下,AIS)患者の静止立位時の足圧中心(以下,COP)を計測し,脊柱変形の部位(胸椎カーブ,腰椎カーブ)別にCOPを比較することで,脊柱変形の部位の違いが姿勢制御に及ぼす影響を明らかにする。【対象・方法】AIS患者100名(胸椎カーブ群67名,腰椎カーブ群33名,平均年齢18.1±5.5歳)を対象とした。静止立位時のCOPを計測し,両群間の相違,さらに各群内でCOPの諸指標とX線指標,年齢との関係について検討した。【結果】両群間に姿勢動揺量の差はないが,胸椎カーブ群は年齢と負の関係,腰椎カーブ群は変形の大きさと正の関係を認めた。ロンベルグ率は,腰椎カーブ群において...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 5; pp. 377 - 383
Main Authors 松本, 守雄, 長谷, 公隆, 里宇, 明元, 大高, 洋平, 細金, 直文, 藤原, 俊之, 三森, 由香子, 新田, 收, 渡辺, 航太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.08.2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00010032605

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Summary:【目的】思春期特発性側弯症(以下,AIS)患者の静止立位時の足圧中心(以下,COP)を計測し,脊柱変形の部位(胸椎カーブ,腰椎カーブ)別にCOPを比較することで,脊柱変形の部位の違いが姿勢制御に及ぼす影響を明らかにする。【対象・方法】AIS患者100名(胸椎カーブ群67名,腰椎カーブ群33名,平均年齢18.1±5.5歳)を対象とした。静止立位時のCOPを計測し,両群間の相違,さらに各群内でCOPの諸指標とX線指標,年齢との関係について検討した。【結果】両群間に姿勢動揺量の差はないが,胸椎カーブ群は年齢と負の関係,腰椎カーブ群は変形の大きさと正の関係を認めた。ロンベルグ率は,腰椎カーブ群において低値であった。また,両群とも骨盤に対する頸部の位置とCOPの左右方向動揺中心位置との間に正の関連を認めた。【結論】AIS患者の姿勢動揺は,変形部位による特徴を認め,腰椎カーブ群で変形の影響を受けやすい可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00010032605