造血幹細胞移植患者に対する筋持久力トレーニングの効果について : 近赤外線分光法を用いた検討(平成25年度研究助成報告書)

本研究の目的は,造血幹細胞移植患者に対する無菌室内での筋持久力トレーニングは,筋酸素代謝機能を維持できるか否かを,近赤外線分光法(Near Infrared Spectroscopy:以下,NIRS)を用いて検証することである。対象は造血幹細胞移植男性患者10名とした。対象者を通常介入群とバイオフィードバック群に振り分け,理学療法介入を実施した。移植前後の身体機能の低下量では,組織血液酸素飽和度(以下,StO_2)の最大振幅と回復勾配,maximum voluntary isometric contraction(以下,MVIC)と下腿周径,Hbと運動回数に両群間で差は認められなかった。NIR...

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Published in理学療法学 Vol. 42; no. 2; pp. 182 - 183
Main Authors 道免, 和久, 若杉, 樹史, 海田, 勝仁, 小川, 啓恭, 森下, 慎一郎, 眞渕, 敏, 児玉, 典彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.04.2015
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00009930393

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Summary:本研究の目的は,造血幹細胞移植患者に対する無菌室内での筋持久力トレーニングは,筋酸素代謝機能を維持できるか否かを,近赤外線分光法(Near Infrared Spectroscopy:以下,NIRS)を用いて検証することである。対象は造血幹細胞移植男性患者10名とした。対象者を通常介入群とバイオフィードバック群に振り分け,理学療法介入を実施した。移植前後の身体機能の低下量では,組織血液酸素飽和度(以下,StO_2)の最大振幅と回復勾配,maximum voluntary isometric contraction(以下,MVIC)と下腿周径,Hbと運動回数に両群間で差は認められなかった。NIRSから算出されたΔStO_2の動態の低下量(pre-post ΔStO_2)は,通常介入群が有意に低下していた。局所の筋に定量な運動負荷を加えることで筋酸素代謝機能が維持できる可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009930393