脳に埋没している中大脳動脈末梢部大型動脈瘤に対するICG flash fluorescence法を用いたtarget bypass

脳に埋没しているM3遠位部の非囊状動脈瘤に血行再建術を行う場合,レシピエントとなるM4は終末枝となっているために正確に確保しなければならない.しかし,瘤が視認できないためにレシピエントM4の同定は難しい.本稿ではindocyanine green(ICG)蛍光血管撮影を応用させたflash fluorescence法を用いて,レシピエントM4を正確に同定する方法を述べる.flash fluorescence法はICGによる血管造影の経時的変化を顕微鏡下でリアルタイムに観察して脳動脈瘤クリッピングやSTA-MCAバイパスにおけるレシピエントの決定に有用な方法である.先に術前の脳血管撮影を正確に読...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 51; no. 4; pp. 335 - 338
Main Authors 久保, 慶高, 赤松, 洋祐, 小笠原, 邦昭, 幸治, 孝裕, 吉田, 研二, 村上, 寿孝, 佐藤, 慎平, 千葉, 貴之, 千田, 光平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2023
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.51.335

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Summary:脳に埋没しているM3遠位部の非囊状動脈瘤に血行再建術を行う場合,レシピエントとなるM4は終末枝となっているために正確に確保しなければならない.しかし,瘤が視認できないためにレシピエントM4の同定は難しい.本稿ではindocyanine green(ICG)蛍光血管撮影を応用させたflash fluorescence法を用いて,レシピエントM4を正確に同定する方法を述べる.flash fluorescence法はICGによる血管造影の経時的変化を顕微鏡下でリアルタイムに観察して脳動脈瘤クリッピングやSTA-MCAバイパスにおけるレシピエントの決定に有用な方法である.先に術前の脳血管撮影を正確に読影して親動脈M3を同定しておく.シルビウス裂を広く開放することにより,術前の脳血管撮影と術中所見を比較しやすくさせる.親動脈であるM3にテンポラリークリップをかけて,ICGを静注して脳表を観察すると造影されないM4を認めるが,この状態でM3のテンポラリークリップを外すとM4が遅れて造影されるため,これをレシピエントM4と同定し,STA-M4バイパスを行う.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.51.335