乳児・小児の排痰手技と姿勢管理

はじめに 新生児, 未熟児の呼吸障害は, 呼吸器系の生理学的, 解剖学的特徴とその病態により独自の管理がなされているため, 呼吸管理の状態に応じた排痰手技, 姿勢管理を必要とする. さらに周術期, とくに先天性心疾患Congenital Heart Disease(CHD)術後の呼吸障害は, CHD特有の呼吸器系の問題点を併せ持つため, squeezingやpercussion, vibrationなどに関して従来から行われている方法では改善できないこともあり, 手技, 姿勢管理などきめ細かい評価と治療計画を必要とする. 新生児, 未熟児の呼吸理学療法respiratory physical...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 29; no. 8; pp. 314 - 321
Main Author 稲員, 恵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2002
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001019670

Cover

More Information
Summary:はじめに 新生児, 未熟児の呼吸障害は, 呼吸器系の生理学的, 解剖学的特徴とその病態により独自の管理がなされているため, 呼吸管理の状態に応じた排痰手技, 姿勢管理を必要とする. さらに周術期, とくに先天性心疾患Congenital Heart Disease(CHD)術後の呼吸障害は, CHD特有の呼吸器系の問題点を併せ持つため, squeezingやpercussion, vibrationなどに関して従来から行われている方法では改善できないこともあり, 手技, 姿勢管理などきめ細かい評価と治療計画を必要とする. 新生児, 未熟児の呼吸理学療法respiratory physical therapy(RPT)として, Finerらにより, 1970年代後半より体位排痰について報告1)されている. しかし日本では1986年の江連の報告2)以来, 様々な報告があるが, その有効性について科学的検証に至っていない. 我々は1993年よりNICU, ICUのRPTに携わってきたが, その中で胸郭に圧迫刺激となる呼気時の排痰手技では呼吸が悪化する症例を経験している.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001019670