阪神淡路大震災 復興への道程と課題

「はじめに」 今回の東日本大震災の16年前に発生した阪神淡路大震災は, 地震による広域型の被害としては, 関東大震災以来の規模のものとされている. また被災地の様子や被害状況, 各方面の支援体制の動きが, 多少の時間差はあるがリアルタイムに政府・自治体関係機関や報道等によって全国に情報伝達されたものとしては恐らくはじめての例であった. この現代型の情報伝達・記録管理がされる中で, 被災地の復旧・復興に向けた支援機関や支援方法も多種多様であり, その中で理学療法士が行ってきた支援活動の経過を報告し, その課題を通して, 平時においても我々が備えるべき災害に対する準備や心構え等を提示することで,...

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Published in理学療法学 Vol. 39; no. 8; pp. 515 - 518
Main Author 山本, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2012
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00008521544

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Summary:「はじめに」 今回の東日本大震災の16年前に発生した阪神淡路大震災は, 地震による広域型の被害としては, 関東大震災以来の規模のものとされている. また被災地の様子や被害状況, 各方面の支援体制の動きが, 多少の時間差はあるがリアルタイムに政府・自治体関係機関や報道等によって全国に情報伝達されたものとしては恐らくはじめての例であった. この現代型の情報伝達・記録管理がされる中で, 被災地の復旧・復興に向けた支援機関や支援方法も多種多様であり, その中で理学療法士が行ってきた支援活動の経過を報告し, その課題を通して, 平時においても我々が備えるべき災害に対する準備や心構え等を提示することで, 東日本大震災の復興の一助, あるいは今後発生するであろう災害に対する円滑な初動体制の立上げや支援体制の構築につなげたい. 「阪神淡路大震災の被害状況」 阪神淡路大震災における被害状況は死者数6,434人, 行方不明3人, 負傷者数43,792人, 住家被害639,686棟, 避難者数316,678人(ピーク時)である. 死因は窒息・圧死が77.0%, 年齢別では65歳以上が43.7%であった.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008521544