生活習慣病を罹患した在宅高齢者のライフスタイルに関する特性

本調査の目的は,生活習慣病を罹患した在宅高齢者における身体運動の習慣化を目的とした援助プログラム立案に先立ち,そのライフスタイルの特性と身体運動の関係を健常高齢者と比較して明らかにすることである。対象は医療機関へ定期的な通院加療を必要としている65歳以上の生活習慣病(糖尿病,虚血性心疾患,脳卒中)の在宅高齢者100名,および比較対照として健常高齢者100名を設定した。調査方法は郵送による自己記入式の質問紙法とした。結果,生活習慣病の在宅高齢者は定期的なスポーツを行うなどの連動習慣に加え,日常生活上の歩行量,外出やレクリエーションなど日常生活全般にわたって身体活動の低下が顕著であった。特に,主成...

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Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 33; no. 7; pp. 377 - 385
Main Authors 波多野, 義郎, 平松, 義博, 武田, 知樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2006
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00004482362

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Summary:本調査の目的は,生活習慣病を罹患した在宅高齢者における身体運動の習慣化を目的とした援助プログラム立案に先立ち,そのライフスタイルの特性と身体運動の関係を健常高齢者と比較して明らかにすることである。対象は医療機関へ定期的な通院加療を必要としている65歳以上の生活習慣病(糖尿病,虚血性心疾患,脳卒中)の在宅高齢者100名,および比較対照として健常高齢者100名を設定した。調査方法は郵送による自己記入式の質問紙法とした。結果,生活習慣病の在宅高齢者は定期的なスポーツを行うなどの連動習慣に加え,日常生活上の歩行量,外出やレクリエーションなど日常生活全般にわたって身体活動の低下が顕著であった。特に,主成分分析を用いたライフスタイル特性の分析結果より,生活習慣病の高齢者は家族団欒などの対人交流や運動やスポーツといった積極的な健康行動への取り組みに乏しい傾向が認められた。これらの事より,生活習慣病の在宅高齢者に対しては,生活習慣全般を見直して,家族の協力や社会活動などによる対人関係の充実を通して心身両面において活動的なライフスタイルへ是正していく働きかけが不可欠である事が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00004482362