関節可動域制限の発生メカニズムとその治療戦略

「緒言」 公益社団法人日本理学療法士協会理学療法白書委員会がまとめている1990(平成2)~2010(平成22)年までの理学療法実態調査報告をみると, 関節可動域(range of motion; 以下, ROM)の障害は常に理学療法の対象障害の上位3位以内にあがっている. つまり, この結果は臨床においてROM制限の発生頻度が高く, しかも理学療法士がROM制限の治療に多くの時間と労力を費やし, また, 治療そのものにも難渋していることを物語っているといえる. 事実, 臨床におけるROM制限の発生状況の実態調査の結果によれば, 対象となった144名のすべての症例になんらかのROM制限を認め,...

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Published in理学療法学 Vol. 41; no. 8; pp. 523 - 530
Main Author 沖田, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2014
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00009647371

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Summary:「緒言」 公益社団法人日本理学療法士協会理学療法白書委員会がまとめている1990(平成2)~2010(平成22)年までの理学療法実態調査報告をみると, 関節可動域(range of motion; 以下, ROM)の障害は常に理学療法の対象障害の上位3位以内にあがっている. つまり, この結果は臨床においてROM制限の発生頻度が高く, しかも理学療法士がROM制限の治療に多くの時間と労力を費やし, また, 治療そのものにも難渋していることを物語っているといえる. 事実, 臨床におけるROM制限の発生状況の実態調査の結果によれば, 対象となった144名のすべての症例になんらかのROM制限を認め, しかもそれは多関節におよび, 平均すると四肢・体幹の16関節中11関節(約7割)にROM制限が認められている. したがって, 理学療法の対象者には必ずといっていいほどROM制限が存在し, しかもそれは多関節におよんでいるといえよう.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00009647371