未破裂脳動脈瘤手術に対する吸引管によるretractionを意識したsylvian fissureの剝離

sylvian fissureの十分な剝離は,未破裂脳動脈瘤を安全かつ確実にclipするために必要不可欠である.われわれは,特に吸引管による脳のretractionを意識しながらsylvian fissureの剝離を行っており,その方法を報告する.吸引管を脳のretractorとして使用する際にretractionする吸引管の強さ(tension)と方向(direction),つまりベクトル(vector)を意識することが重要である.吸引管を用いて脳を適切な強さ(tension)と方向(direction)〔適切なベクトル(vector)〕で圧排することにより,くも膜や微細な血管の視認性が高ま...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 50; no. 3; pp. 226 - 230
Main Authors 堀内, 薫, 玉置, 亮, 宮前, 誠亮, 杉本, 正, 飯田, 淳一, 横田, 浩, 下間, 惇子, 森, 康輔, 八重垣, 貴英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2022
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.50.226

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Summary:sylvian fissureの十分な剝離は,未破裂脳動脈瘤を安全かつ確実にclipするために必要不可欠である.われわれは,特に吸引管による脳のretractionを意識しながらsylvian fissureの剝離を行っており,その方法を報告する.吸引管を脳のretractorとして使用する際にretractionする吸引管の強さ(tension)と方向(direction),つまりベクトル(vector)を意識することが重要である.吸引管を用いて脳を適切な強さ(tension)と方向(direction)〔適切なベクトル(vector)〕で圧排することにより,くも膜や微細な血管の視認性が高まりくも膜の切離を容易にすると同時に,脳圧排による挫傷や血管損傷を最小限にすることができる.sylvian fissureの十分な剝離は広い術野をつくり出し,結果的にclipping操作も行いやすくなると考える.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.50.226