歯周病と骨粗鬆症のクロストーク
「はじめに」骨組織は, 骨吸収と骨形成のバランスにより調節されている. それらのバランス調節は, 互いにあたかも連絡を取り合っているかのようにみえるため, この現象は, 骨代謝共役(カップリング)と呼ばれる. 骨粗鬆症はこの骨代謝共役が破綻し, 骨吸収が骨形成を凌駕するために発症する. 骨芽細胞由来の破骨細胞分化因子であるRANKL(receptor activator of NF-κB ligand)とRANKLのデコイ受容体であるオステオプロテゲリン(Osteoprotegerin:OPG)の発見により, 現在では, RANKL中和抗体が骨粗鬆症・癌の骨転移・関節リウマチ患者の骨びらんなど...
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| Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 66; no. 1; pp. 9 - 16 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
31.03.2024
日本歯周病学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0385-0110 1880-408X |
| DOI | 10.2329/perio.66.9 |
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| Summary: | 「はじめに」骨組織は, 骨吸収と骨形成のバランスにより調節されている. それらのバランス調節は, 互いにあたかも連絡を取り合っているかのようにみえるため, この現象は, 骨代謝共役(カップリング)と呼ばれる. 骨粗鬆症はこの骨代謝共役が破綻し, 骨吸収が骨形成を凌駕するために発症する. 骨芽細胞由来の破骨細胞分化因子であるRANKL(receptor activator of NF-κB ligand)とRANKLのデコイ受容体であるオステオプロテゲリン(Osteoprotegerin:OPG)の発見により, 現在では, RANKL中和抗体が骨粗鬆症・癌の骨転移・関節リウマチ患者の骨びらんなどの治療薬として臨床応用されるに至った. OPG遺伝子欠損マウスは, 重度の骨粗鬆症を呈すると共に, 歯槽骨吸収が著明に認められ, 抗RANKL中和抗体やビスホスホネートを投与すると, 歯槽骨の再生が劇的に認められた. |
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| ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
| DOI: | 10.2329/perio.66.9 |