日本輸血・細胞治療学会による「院内細胞治療製品取扱実態調査」における再生医療等製品2022年の現状

2022年に実施した「院内細胞治療製品取扱実態調査」についてのアンケート回答結果について報告する.調査は,全国大学病院と附属病院,国立・公立・公的病院,日本骨髄バンク移植認定病院,こども病院・総合周産期母子医療センター等の203施設を対象とし,140施設(69.0%)から回答を得た.41施設が細胞培養加工施設を有し,そのうち19施設(46.3%)が輸血部門で管理していた.全施設における14種類の再生医療等製品の導入状況は,ヒト細胞加工製品では,テムセルⓇHS注が80.7%,キムリアⓇ点滴静注が28.6%と多く,遺伝子治療用製品ではゾルゲンスマⓇ点滴静注が18.6%で多かった.輸血部門は11種類...

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 70; no. 1; pp. 12 - 19
Main Authors 小林, 博人, 田野﨑, 隆二, 菅野, 仁, 藤原, 慎一郎, 池田, 和彦, 中山, 享之, 阿南, 昌弘, 奥山, 美樹, 長村(井上), 登紀子, 藥師神, 公和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 26.02.2024
日本輸血・細胞治療学会
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ISSN1881-3011
1883-0625
DOI10.3925/jjtc.70.12

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Summary:2022年に実施した「院内細胞治療製品取扱実態調査」についてのアンケート回答結果について報告する.調査は,全国大学病院と附属病院,国立・公立・公的病院,日本骨髄バンク移植認定病院,こども病院・総合周産期母子医療センター等の203施設を対象とし,140施設(69.0%)から回答を得た.41施設が細胞培養加工施設を有し,そのうち19施設(46.3%)が輸血部門で管理していた.全施設における14種類の再生医療等製品の導入状況は,ヒト細胞加工製品では,テムセルⓇHS注が80.7%,キムリアⓇ点滴静注が28.6%と多く,遺伝子治療用製品ではゾルゲンスマⓇ点滴静注が18.6%で多かった.輸血部門は11種類の再生医療等製品で原料細胞の採取や管理等に関与していたが,3製品には全く関与がなかった.3製品のうちネピックⓇとオキュラルⓇは,指定再生医療等製品であり,院内における投与記録の保管が血液製剤同様に義務付けられている.一部専門部署の関与があったが,ほとんどは当該診療科と薬剤部門の管理であった.院内における再生医療等製品の管理及び取扱への輸血部門の関与という観点からは,課題があることがわかった.
ISSN:1881-3011
1883-0625
DOI:10.3925/jjtc.70.12