エキシマレーザーシースによる橈側皮静脈からのリード抜去症例
72歳男性が,デバイス感染と診断され,リード抜去目的に当院紹介となった.完全房室ブロックにて右鎖骨下からDDDペースメーカが植込まれており,9年後にジェネレータ交換術を施行し,その16ヵ月後にポケット部の腫脹と疼痛が出現した.心房(RA)リードは鎖骨下静脈穿刺にて,心室(RV)リードは橈側皮静脈からカットダウンにて留置されており,RVリードからエキシマレーザーシースを用いて剥離を開始した.穿刺部は問題なかったが,その後,レーザーシースの通過に少し抵抗があり,上大静脈まで達したところでレーザーシースの進みが悪くなり,右心房に入ったところで進まなくなった.リードの癒着もなく,リード先端がフリーにな...
Saved in:
Published in | 心電図 Vol. 38; no. 1; pp. 20 - 27 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
20.03.2018
日本不整脈心電学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.38.20 |
Cover
Summary: | 72歳男性が,デバイス感染と診断され,リード抜去目的に当院紹介となった.完全房室ブロックにて右鎖骨下からDDDペースメーカが植込まれており,9年後にジェネレータ交換術を施行し,その16ヵ月後にポケット部の腫脹と疼痛が出現した.心房(RA)リードは鎖骨下静脈穿刺にて,心室(RV)リードは橈側皮静脈からカットダウンにて留置されており,RVリードからエキシマレーザーシースを用いて剥離を開始した.穿刺部は問題なかったが,その後,レーザーシースの通過に少し抵抗があり,上大静脈まで達したところでレーザーシースの進みが悪くなり,右心房に入ったところで進まなくなった.リードの癒着もなく,リード先端がフリーになったが,レーザーシース内にリード先端を収納できないため,そのまま全体を抜去した.抜去したRVリードの周りには,レーザーシース先端が進まなくなった部位に一致して,橈側皮静脈と思われる組織が認められた.今後のリード抜去の実施において,橈側皮静脈からのエキシマレーザーシースによるリード抜去に注意を要すると考えられた症例を経験したので,報告する.(心電図,2018;38:20~27) |
---|---|
ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.38.20 |